農業生産システム

クールパッドシステム

多くの植物は通常15~25℃の間で正常な生育をしますが、日本の夏の温室内気温は日中40℃にも達します。このような劣悪な環境下では植物の順調な生育は見込めません。また、このような状態にさらされた植物はその後ストレスを解消するのに1ヶ月以上の日数を必要とし、多大な時間とコストのロスとなります。

クールパッドシステムとはこの高温状態を回避するために水の気化熱を利用した、温室内に冷風を送り込むシステムなのです。

クールパッドシステム

クールパッドシステム
クールパッドシステム

クールパッドシステムの特長

  • 夏場の温室内気温を下げることができる
  • 夏場の高温下では栽培できない作目も栽培可能になる
  • 植物の生育が促進され栽培サイクルを短縮できる
  • 植物の夏場の消耗を改善し、秋の品質劣化を防ぐことができる
  • 夏でも作業のしやすい環境が作れ、作業能率が大幅に上がる
  • パッド(下記参照)を介して換気するので害虫の侵入を防ぐことができる
  • ヒートポンプに比べランニングコストが低価
  • 細霧冷房のように植物体が濡れず、気温や葉面温度の変動が比較的緩やか

システムの構造・冷却原理

温室片側の壁面全体に特殊なセルロースペーパーでできたパッドを取り付け、反対側の壁面には換気扇を取り付けます。パッドの上部から常に水を流し、パッド全体を湿らせながら下へ流れるように給水システムを組み立てます。そして、換気扇が温室内を強制排気することで、パッドを介して取り込まれる空気はパッドを通過する際に水分を気化させます。この際に熱を奪われるため温室内の気温が下がります。

使用するパッドは耐久性に優れ、流れ落ちる水がポンプによって再度パッド上部から流れ落ちるよう循環するため、排水を出さないシステムになっています。蒸発する水の補給と換気扇やポンプの電気だけで冷やすため、環境に優しいだけでなく、ランニングコストの面でも優れたシステムです。

これまでご紹介したシステムと同様、お客様のニーズに合わせたシステムを構築できます。サイズやシステム等お気軽にご相談下さい。

クールパッドシステム

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